「消しゴム恐怖症」だった私が見つけた“消さない消し方”

消しゴムが生理的に無理な話
告白すると、私は昔から消しゴムに対して異常な潔癖と嫌悪感 があります。
小学生の頃は、授業中に少しでも消しゴムを使うと、帰宅後すぐ着替えて手を洗うほど。
机に残る 黒鉛の粉、手にまとわりつく 消しカス、あの独特の何とも言えない感触…。
今でも想像するだけで鳥肌が立ちます。
共感されることは少ないですが(笑)、私にとっては深刻な悩みでした。
フリクションとの出会い、学生時代の救世主
そんな私を救ってくれたのが、パイロット社の「フリクション」。
潔癖ゆえ、当時の私は ボールペンで板書 をするという謎の工夫をしていたのですが、
間違えたときに修正テープを使うとノートが一気に汚れる。
そのストレスを吹き飛ばしてくれたのが、「こするとインクが消える」という
フリクションの魔法のような仕組みでした。
初めて使ったときは「発明した人、天才すぎるのでは?」と本気で思ったのを覚えています。
なぜ消えるの?仕組みは意外とシンプル
摩擦熱でインクが「透明化」する
フリクションのインクは、こすって温度が上がると無色に変わります。
削っているわけではなく、インクそのものが透明になっているだけ。
だからカスが出ない → 消しゴムいらず
インクの色が消えるだけなので、シャーペンのようなカスは出ません。
そして何より、私にとっては「消す=消しゴムを使う」という固定概念から解放されたこと。
これがフリクション最大の恩恵でした。

フリクションは「知財のかたまり」
フリクションの裏側には、膨大な知財の積み重ねがあります。
技術は特許で守られている
フリクションの核心である「摩擦熱で透明化するインク」は特許第3460001号 を起点に改良が続けられてきました。
・ どんな成分なら発色が安定するか
・ どうすればきれいに透明化するか
こうした研究開発と知財戦略の積み重ねが、あの「ストレスゼロの消えるペン」を支えています。

J-PlatPatより引用
名前は商標で保護されている
「フリクション」 という名前も商標登録第4911337号 によってブランドとして守られています。

J-PlatPatより引用
文房具を見る目が変わった瞬間
羽鳥国際特許商標事務所で事務をしていると、企業が技術やブランドを どうやって守っているか に触れる機会が本当に多いです。
学生時代に私を救ってくれたあのフリクションも、振り返ってみると、
研究開発 ×(それを守る)特許・意匠・商標
こうした知財の力が重なって生まれた文房具だったんだな、と感じます。
普段何気なく使っている文房具にも、実はこうした知財の工夫がぎっしり詰まっているんです。
身近な知財の楽しさを、もっと
フリクションのおかげで私は「消しゴム問題」から解放されました。
そして今、弁理士のそばで仕事をしながら実感するのは、私たちの日常の「便利」「好き」「助かった」の裏側には、
必ず誰かの工夫と、それを守る知財があるということ。
これからも「日常に潜む知財」を、皆さんにわかりやすくお届けできたら嬉しいです。
もし、「これって商標取れるの?」といった疑問や、「自社の技術をちゃんと守りたい」というお悩みがあれば、
どうぞお気軽にご相談ください。
羽鳥国際特許商標事務所では、事業に寄り添った知財サポートを行っています。

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