名前が製品の価値をつくるとき。ビニフレーム工業が歩んだ商標との向き合い方

商品名って、どれほど売上に影響するのか?
これは、中小企業やメーカーからよくいただく質問です。
BtoBの世界でも、名前の力は確実に効きます。
ただ、広告のようにすぐ成果が出るわけではなく、じっくり積み重ねることで価値が育っていく領域です。
今回は、建材メーカー・ビニフレーム工業の事例を通して、名前が製品の価値をどう変えていくのか を紹介します。
見た目では差がつきにくい市場で、どう選ばれるか
ビニフレーム工業は1962年創業の建材メーカー。手すりやサッシなど住宅用建材を製造しています。
建材は外観や仕様が似てしまいがちで、機能や構造だけでは差別化が難しいジャンルです。
そんな中で同社が選んだのが、新製品には必ず名前をつけ、商標を取り、継続して使う というシンプルな方針でした。
新製品がブランドになった瞬間
例えば、2003年、主力製品である手すりを大幅に刷新するプロジェクトが立ち上がり、その象徴として生まれたのが「ViewX」。

「View」は屋内外を隔てる機能を、「X」は未知への挑戦を意味しています。
さらに、強度を重視した製品には「Forte」という名前を採用。

結果として、
・ デザイン性 → ViewX 商標登録第4924167号
・ 強度重視 → Forte 商標登録第5746965号
このように整理され、「ViewX」と言えばデザイン性の高い手すり 、「Forte」といえば、強度の高い手すりという認知が市場に根づいていきました。
BtoBでも名前は安心の目印になる
建材業界としては、大手メーカーの社名自体がブランドとして働くことが多く、製品名での差別化は進みにくい領域です。
その中でビニフレーム工業は、製品ごとに名前をつけ、商標を取得し、丁寧に周知してきました。
職人や工務店など、プロが選ぶ世界では品質が何より重要ですが、「ViewXなら安心」 といった品質を保持する役割を助けるのは、やはり名前です。
BtoBだから名前は関係ない、と言われることがありますが、むしろ選定基準として名前は大きな役割 を果たしています。
弁理士の目線で見ると
ビニフレーム工業の商標戦略が優れているのは、ネーミングと商標が後付けではなく、製品づくりの最初から一体 になっている点です。
もちろん、製品が売れてから商標を取得するという手法もありますが、製品が売れてから、その名前が実は、先に商標登録していたことが判明し、困ったということも多く相談を受けます。
そのようなことが起こらないように、製品開発段階からネーミングを権利化し、商品を売り出していくということは非常に重要だと思います。
この循環を前提に取り組んでいる企業は、実は多くありません。
これは規模に関係なく、どんな企業でも再現できる戦略です。是非取り入れてみてください。

羽鳥国際特許商標事務所より
私たちは、企業の想いを込めた名前が、長く信頼されるブランドへと育っていくよう支援しています。
・ ネーミング段階の相談
・ 商標調査・出願
・ シリーズ展開の設計
・ 模倣品対策
企業とともに名前を育て、その価値を守ること。それが私たちの役割です。
事務所ホームページ:https://hatoripat.com/
Instagram:https://www.instagram.com/benrishi_bird/
YouTube:https://www.youtube.com/@bird_ip
この記事は、特許庁発行
『商標の活用事例集「事例から学ぶ 商標活用ガイド」
– ビジネスやるなら、商標だ!(2024年版)』を参考に作成しています。