羽鳥国際特許商標事務所

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弁理士だけど、狩猟免許(わな猟)を取得しました

弁理士の柿原希望です。

この度、狩猟免許(わな猟)を取得いたしました。

とはいえ、私自身は狩猟を楽しみたいわけではありません。

むしろ、熊と人間が無理なく住み分け、互いの領域を守りながら暮らしていける社会を目指す中で、

弁理士として力になれることがあるのではないかと考え、この資格を取得しました。

少し、その理由をお話ししたいと思います。

私は2年ほど前、群馬県北部の山沿いに引っ越しました。

自然豊かで素晴らしい環境だと感じていたのですが、昨年あたりから近隣で熊による人身被害が相次ぐようになりました。

それまで、自分が熊に襲われる可能性など考えたこともありませんでしたが、

突然、自分や家族の命が脅かされる状況になったのです。

外出時には家や車から出るたびに周囲を確認し、散歩も自粛せざるを得なくなりました。

日常の行動が大きく制限されるようになりました。

熊の出没情報は発信されるものの、その後捕獲されたのかどうかは公表されません。

住民にとっては安心に直結する重要な情報ですが、全国から苦情が寄せられるため公表できないのが現状のようでした。

一方で、全国ニュースでは緊急銃猟が大きく報じられるのに対し、

身近なところでは知らないうちに熊が捕獲され、仕留められていることもあるようでした。

こうした状況を目の当たりにし、

実際にはどのような法令や制度に基づいて対応が行われているのかを知りたいと思うようになりました。

「恐れは常に無知から生じる」という言葉があります。

無知な状態では恐怖心を抱きやすく、不適切な行動をとりかねないということです。

そこで、熊の生態や行動特性、出没の背景、被害防止策、人間側の適切な対応、さらには捕獲や管理に関する制度など、

熊に関わる多角的な知識を身につけることが必要だと考えました。

こうした知識を正しく理解するためには、現場の実情に触れることも欠かせないと感じ、

熊の生態や対策に加えて捕獲の制度や実際の運用を学ぶために、狩猟免許(わな猟)を取得することにしたのです。

学びを重ねる中で、もう一つ気になる点が出てきました。

仕留められた野生動物の活用率が現在10%程度にとどまっているという現実です。

つまり、90%の動物が命を奪われながらも有効活用されることなく処分されているのです。

この現状に心が痛みました。

原因はいくつもあると思いますが、その一つに「解体し活用するまでの技術や設備の不足」があると感じています。

狩猟は多大な労力と時間を要し、命の危険を伴う作業です。

それにもかかわらず、その後の活用によって得られる利益は小さく、負担とメリットのバランスが大きく崩れているのです。
実際、私自身が捕獲・止め刺し・解体を行うことはできません。

それは自分に技術がないだけでなく、必要な道具や設備を提供する場所が不足していることも大きな理由です。

しかし裏を返せば、ここにはまだ改良の余地があるということでもあります。

より安全に止め刺しを行うための器具、

効率的かつ衛生的に処理できる解体設備、

小規模地域でも導入可能な処理システム、

さらには捕獲から流通までを一元管理する仕組み。

こうした分野には、工夫や発明の余地が数多く存在しています。

そして、その技術が生まれたとき、それを適切に保護し、社会実装につなげる仕組みもまた重要です。

技術は生まれるだけでは広がりません。守られ、評価され、持続可能な形で活用されてこそ、社会課題の解決につながります。

熊と人が無理なく共存できる社会を実現するためには、制度や理解だけでなく、技術の進歩も欠かせません。

弁理士として、私はその技術を支え、社会へと橋渡しする役割を果たしていきたいと考えています。

地域課題と向き合う中でこそ、知的財産の役割は広がる。
そう信じて、これからも学びを続けていきたいと思います。

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