羽鳥国際特許商標事務所

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売れなかった野菜が「ブランド」になった日

「形が悪い」「ちょっと傷がある」味は変わらなくても、見た目だけで値が下がる野菜があります。

JAみなみ信州は、そんな野菜に名前をつけることで価値を変えました。

名前がつくと、愛される

1980年代、同組合が初めて商標登録したのは「きらめき」。果実につけたこの名前が、知財活用のはじまりでした。

そこから次々に生まれたのが、「曲がりなりにもキュウリです」「ごめんナスって」などユニークな名前。

J-Jpatpatより引用
商標登録第5140055号
商標登録第5118557号


一見ネタのようでも、消費者の印象に残り、「売れにくい野菜」が「選ばれる商品」に変わっていきました。
名前が物語を与え、価値をつくったのです。

商標がブランドの土台になる

JAみなみ信州では、商標を「飾り」ではなく品質を保証する仕組みとして使っています。

JAみなみ信州ホームページより引用


糖度が一定以上の果物だけに付ける 商標第3269186号「太鼓判」
特に品質の高いぶどうだけに使う 商標第6229829号「輝房(きぼう)」

こうした商標は、単なる区別のためではなく、「安心して買える目印」として機能しています。

ブランドを支えるのは、名前と信頼。その信頼を長く保つために、商標という仕組みで守ることが欠かせません。

弁理士の目線で見ると

JAみなみ信州の取り組みの良いところは、現場のアイデアを、知財の仕組みで支えていることにあります。

販売の現場から生まれるネーミングは、消費者の心をつかむ力があります。
一方で、インパクトが強い言葉ほど真似されやすい。

だからこそ、思いつきで終わらせず商標登録という形で守ることが大切です。

名前を守る仕組みを持つことで、地域の発想が一過性で終わらず、次の世代へ受け継がれていきます。

知財とは、創意を長く活かすための道具。それを上手く使える地域ほど、ブランドを「育て続ける力」を持っているのです。

羽鳥国際特許商標事務所より

商標登録は、名前を守るための手続きにとどまりません。
その先にあるのは、「どう使い、どう育てていくか」を考えることです。

私たち羽鳥国際特許商標事務所は、地域の特産品や企業のブランドが、長く信頼される存在になるよう
登録の段階から運用、活用まで、それぞれの現場に合った形でサポートしています。

名前を守ることは、その土地や人の想いを未来につなげること。そうした知財の力を、これからも地域とともに育てていきます。

note:https://note.com/hatoripat
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この記事は、特許庁発行
『商標の活用事例集「事例から学ぶ 商標活用ガイド」
– ビジネスやるなら、商標だ!(2024年版)』
を参考に作成しています。