ペヤングだと思って手に取ったら「ペヨング」だった。これってありなの?

こんにちは。羽鳥国際特許商標事務所で事務をしている折戸です。
以前、スーパーで買い物をしていたときのことです。
いつものように「ペヤング」を買おうと思って、棚から商品を手に取りました。
ところが、よく見ると……
「……は? ペヨングじゃん」
ペヤングではなく、「ペヨング」。名前は一文字違い。
しかも、パッケージもかなり似ています。
完全にペヤングだと思って手に取っていた私は、そっと棚に戻し、その日は改めて本物のペヤングを探して買って帰りました。
その後もスーパーでペヤングの隣に並んでいるペヨングを見るたびに、
「こんなに似ていて、ありなんだ……」と、ずっと気になっていました。
そもそも「ペヨング」って何者?
そんな「ペヨング」、そもそもどこの会社が作っている商品なんだろう。
まずはそこから調べてみることにしました。
すると、早速意外なことが分かりました。
「ペヤング」と「ペヨング」、なんと同じ会社が作っていました。
どちらも、群馬県伊勢崎市に本社を置く「まるか食品株式会社」の商品だそうです。
「ペヤング ソースやきそば」は1975年発売のロングセラー商品。
一方の「ペヨング ソースやきそば」は2016年3月14日から発売されており、現在もまるか食品の公式サイトに商品として掲載されています。
つまり、どこか別の会社がペヤングに似た商品を作ったわけではなかったのです。
実際、発売当時には、「他社の類似品なのでは?」と思った人も多かったようです。
……そりゃそうですよね。
私も数年後、スーパーでまんまとペヤングだと思って手に取っています。
せっかくなので商標も調べてみた
同じ会社の商品だと分かり、「なんだ、そういうことだったのか」と一度は納得。
ただ、ここは特許商標事務所。そして私は事務員です。
せっかくなので、J-PlatPatで商標も見てみることにしました。
もちろん「ペヤング」があります。
そして「ペヨング」もあります。ここまでは予想どおり。
ところが、検索していると見慣れない名前が出てきました。
「ペユング」
……ペユング?
ペ「ヤ」ング。
ペ「ユ」ング。
ペ「ヨ」ング。
「ヤ・ユ・ヨ」、全部そろっていました。
まさかのコンプリートです。
商品を見たことがない「ペユング」まで
「ペヨング」はスーパーで見たことがあります。実際、私も騙されかけました。
でも、「ペユング」は見たことがありません。
「もしかして昔はそんな商品も売っていたのかな?」と思って調べてみると、どうやらそういうわけでもないようです。
まるか食品は2016年2月25日に「ペユング」を商標出願していますが、当時の取材では、その理由について「他の会社に商標登録されたら困るため」と説明しています。
そして、「ペヤング」と「ペヨング」の中間にあたるような「ペユング」という商品についても、当時は企画していないとのことでした。
つまり、商品を発売するために「ペユング」を取ったわけではなかった。ということになります。
さらに、この「ペユング」が出願されたのは2016年。
あれから、もう10年です。
商標は、登録から10年ごとに更新手続きをすることで権利を維持することができます。
ということは、「ペユング」にもそろそろ更新の時期が来ているはず。
そこで現在の情報を確認してみると……
「ペユング」の商標、ちゃんと更新されていました。
少なくとも発売当時には商品化の予定がないと説明されていた「ペユング」。
それでも商標を取得しただけで終わりにせず、10年後も権利を維持している。
そこまで含めて考えると、「ペヤング」という大切なブランドの周りまで、しっかり守っているんだなと感じました。
ペヤング、ペユング、ペヨング
最初はただ、「ペヤングだと思って取ったら、ペヨングだった」というだけの話でした。
でも、気になって調べてみると、ペヨングを作っているのは、ペヤングと同じまるか食品。
さらに商標を調べてみたら、
ペ「ヤ」ング
ペ「ユ」ング
ペ「ヨ」ング
と、「ヤ・ユ・ヨ」が全部そろっていました。
しかも、少なくとも当時は商品化する予定がなかったという「ペユング」まで、今も権利が維持されています。
普段、仕事では「商標出願」や「商標権の更新」といった言葉を当たり前のように目にしています。
でも、スーパーに並んでいる身近な商品から見てみると、企業が名前を守るというのは、実際に使っている名前だけを見ているわけではないんだなということが、少し身近に感じられました。
スーパーでペヨングを間違えて手に取ったあの日。
まさか後になって、「ペユング」の商標まで調べることになるとは思ってもいませんでした。
ちなみに、ここまで調べた今でも、スーパーで買うなら私はたぶんペヤングを選びます。
次からは、ちゃんと「ヤ」か「ヨ」か確認してから。
商品名やサービス名は、使い始めてから「似た商標があった」と気づくこともあります。
新しい名前を考えたときや、商標について少しでも気になることがありましたら、羽鳥国際特許商標事務所までお気軽にご相談ください。
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