推しの映画出演から仮面ライダー沼に落ちた結果。「仮面ライダーゼッツ」の商標を調べたら、守りが強すぎた話

こんにちは。
羽鳥国際特許商標事務所で事務をしている折戸です。
この夏、推しが仮面ライダーの映画に出演することになりました。
学生時代にちらほら見ていた時期はあったものの、今回の「ゼッツ」シリーズは完全に未履修。映画を存分に楽しむために見始めてみたところ、最初は「どんな世界観だよ…」と戸惑ったものの、見ていくうちにどんどん面白くなり、気づけば続きが気になって仕方がない状態に。
そんな熱量のまま作品を楽しんでいたある日、ふと仕事柄こんなことを考えてしまいました。
「仮面ライダー」って、「仮面」と「ライダー」を組み合わせた名前だよな。ってことは、当然、商標も押さえているはず。いったい、どの分野で権利を持っているんだろう?
気になったら、検索する手が勝手に動き出します。
【ここでポイント:まずそもそも、商標って何?】
商標権というのは、名前を登録すれば、その名前を何にでも独占できるものではありません。
商標は、「名前(商標)」と「どの分野で使うか(指定商品・役務)」をセットで申請し、特許庁に認められて初めて権利になります。
この「どの商品・サービスに使うか」という分野のことを、商標の世界では「区分」と呼び、第1類から第45類まであります。
たとえば「仮面ライダー」という名前でも、お菓子に使う場合、おもちゃに使う場合、洋服に使う場合では、関係する区分が変わってきます。
つまり、名前そのものだけでなく、どんな商品やサービスに使うのかまで含めて、商標権の範囲が決まるのです。
仮面ライダーの商品といえば、やっぱり変身ベルト
仮面ライダーの商品と聞いて、まず思い浮かぶのは、やはり変身ベルトではないでしょうか。
子どものころ、あれを腰に巻いた瞬間は、強くなれた気がするはずです。いや、大人になってから見ても、やっぱり変身ベルトには心が動きます。
変身ベルトは、おもちゃの一種なので、商標の区分でいうと「第28類」に含まれます。フィギュアやカードゲームなども、この第28類です。
実際に調べてみると、「仮面ライダーゼッツ」についても、第28類で商標登録がされていることが確認できました。
というより、仮面ライダーで第28類を押さえていなかったら、それはもう事件です。

でも、話は第28類だけで終わらなかった
ただ、調べてみると、話は変身ベルトだけでは終わりませんでした。
なんと「仮面ライダーゼッツ」だけでも、全部で22区分にわたって商標が登録されていたのです。
22区分。
商標を詳しく知らない方からするとピンと来ないかもしれませんが、これはかなり広い範囲です。
たとえば、スーパーで見かけるお菓子やふりかけなどの食品系。
子どもが欲しがるシールやノートなどの文房具系。
Tシャツやスニーカーなどの被服系。
タオルや食器などの日用品系。
言われてみれば、全部ありますよね。むしろ、子どもの生活に仮面ライダーが入り込む場面を想像すると、あまりにも自然です。
変身ベルトだけではなく、仮面ライダーは生活のあちこちにいるのです。
そう考えると、22区分という広さも、ただ広く取りすぎているというより、キャラクタービジネスの広がりをそのまま反映しているように見えてきます。
人気が出てから守る、では遅い
もちろん、これだけ多くの区分で商標を登録し、維持していくにはコストがかかります。
それでも幅広く押さえておくのは、将来どんな商品展開やコラボが生まれても、すぐに対応できるようにしておくためです。
大きなコンテンツほど、便乗や模倣のリスクも高くなります。「人気が出たから、あとから守ろう」では遅い場面もあります。
むしろ、人気が出ることを見越して、先に守っておく。名前を使った商品が広がる前に、権利の土台を作っておく。
これは、キャラクターや作品名を守るうえで、とても重要な戦略です。
さすが仮面ライダー。
変身前から、すでに守りが固い。
そして、さらに恐ろしい事実
ここまで「仮面ライダーゼッツ」の商標について見てきました。
でも、最後に衝撃の事実をお伝えします。
これは、あくまで「仮面ライダーゼッツ」というシリーズ名の話です。
東映さんは「仮面ライダー」そのものはもちろん、過去のシリーズ名についても、それぞれ商標登録をしています。
つまり、ゼッツだけでこれ。
仮面ライダー全体で見ると、さらにとんでもない数になります。
……仮面ライダー、強すぎる。
作品としても強い。
キャラクターとしても強い。
そして商標の守りも強い。
映画は7月24日(金)全国公開。
全力で楽しむためにも、私は今から同時上映の「超宇宙刑事ギャバン インフィニティ」も履修してきます。
キャラクター名、作品名、ブランド名は、人気が出てから守るのではなく、展開を見据えて早めに保護しておくことが大切です。
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