羽鳥国際特許商標事務所

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登録したら、ずっと守られる?特許・実用新案・意匠・商標の『その後』を解説

こんにちは。羽鳥国際特許商標事務所の弁理士の羽鳥慎也です。

特許や実用新案、意匠、商標について出願を行い、無事に登録されると、「これで安心だ」と感じる方も多いかもしれません。

しかし実は、登録されたからといって、権利がずっと続くわけではありません。

特許・実用新案・意匠は、権利を維持するために、年ごとに発生するいわゆる「年金」(特許料や登録料)を納付していく必要があり、商標は10年ごとに「更新」という手続が必要になります。

今回は、特許・実用新案・意匠・商標について、登録された後、いつまで権利が続くのか、そして権利を維持するために何が必要なのかを初心者向けに解説します。

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特許権|原則として出願日から20年

特許権の存続期間は、原則として特許出願の日から20年です。
ここで注意したいのは、「登録されてから20年」ではないということです。

特許権が実際に発生するのは設定登録されたときですが、権利がいつまで続くかは出願日を基準に計算されます。

特許査定を受けた後、特許権を発生させるためには、第1年分から第3年分までの特許料をまとめて納付します。

その後は、第4年分、第5年分……と年金を納付することで、権利を維持していきます。なお、複数年分をまとめて前納することも可能です。

つまり、特許権は取得すれば自動的に20年間続くのではなく、最長20年の存続期間の中で、必要な年金を納付しながら維持していく権利なのです。

実用新案権|出願日から10年

実用新案権の存続期間は、実用新案登録出願の日から10年です。

実用新案の場合は、第1年分から第3年分までの登録料を、出願時にまとめて納付します。

その後、第4年分以降については、特許と同様に年金を納付することで権利を維持していきます。

特許権と比べると存続期間は短く、出願日から10年で権利が終了する点が特徴です。

意匠権|現在は出願日から25年

意匠権については、2020年(令和2年)4月1日以降に出願されたものは、出願日から25年が存続期間となっています。

意匠権も、特許権や実用新案権と同じように、登録後に年金を納付しながら権利を維持していきます。

意匠登録を受ける際には、まず第1年分の登録料を納付します。
(弊所では第1年分から第3年分までを一括で納付させていただいております。)

その後も、年金を第4年分、第5年分……と納付することで権利を維持していきます。

なお、2020年3月31日以前に出願された意匠については、現在とは存続期間の計算方法が異なります(2020年に意匠法が改正され、登録日から20年から出願日から25年に改正となったためです)。

また、関連意匠については、基礎意匠の出願日を基準に存続期間が決まるなど、通常の意匠とは異なる点がありますので、個別に確認する必要があります。

商標権|10年ごとに何度でも更新できる

商標権は、ここまでの3つの権利とは少し仕組みが違います。

商標権の存続期間は、設定登録の日から10年です。

この存続期間が終了する日を「満了日」といい、原則として満了日の6か月前から満了日までの間に更新登録の申請を行うことで、さらに10年間、商標権を存続させることができます。

また、更新登録料は10年分を一括して納付するほか、5年分ずつ前期・後期に分けて納付することもできます。

しかも、更新できる回数に制限はありません。

例えば、長年使い続けている会社名や商品名、サービス名であれば、更新を続けることで、何十年にもわたって商標権を維持することができます。

技術やデザインを守る特許権や実用新案権、意匠権には最終的な存続期間がありますが、商標は、長年使用することでその名前やマークに企業や商品の信用が積み重なっていくものです。

そのため、商標権は更新を続けることで長期間保護できる仕組みになっています。

一方で、10年という期間は長いため、更新時期になったときには登録当時の担当者が変わっていたり、社内で商標登録したこと自体が十分に引き継がれていなかったりすることもあります。

だからこそ、商標についても登録後の期限管理が大切です。

期限を過ぎてしまったら、すぐに権利がなくなる?

「うっかり年金の納付や商標の更新期限を過ぎてしまったら、その瞬間にすべて終わってしまうの?」

と心配になる方もいるかもしれません。

特許・実用新案・意匠については、通常の年金の納付期限を過ぎてしまっても、その後6か月以内であれば、通常の年金に加えて同額の割増料金を納付することで追納することができます。

商標についても同様に、満了日までに更新登録の申請ができなかった場合でも、満了日の翌日から6か月以内であれば、更新登録料に加えて同額の割増登録料を納付することで更新することができます。

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また、これらの期間を過ぎてしまった場合でも、一定の要件を満たせば、権利を回復するための救済制度を利用できる場合があります。

ただし、当然ながら最初からこのような制度をあてにするべきではありません。

通常よりも余計な費用や手続が必要になりますし、最終的には権利を失ってしまう可能性もあります。

期限を過ぎてしまったことに気付いた場合には、そのままにせず、できるだけ早く確認することが重要です。

取った権利は、すべて最後まで維持した方がいい?

では、取得した特許・実用新案・意匠・商標は、できるだけ長く維持した方がよいのでしょうか。

必ずしもそうとは限りません。

権利を取得した当時は重要だった技術や商品でも、時間が経てば事業の状況は変わります。

商品の販売が終了したり、新しい技術に置き換わったり、使用しなくなったブランドが出てきたりすることもあります。

そのような場合には、今後も費用をかけて権利を維持する必要があるのかを検討することも大切です。

一方で、現在は使用していなくても、今後再び使う可能性がある権利や、競合他社との関係から維持しておいた方がよい権利もあります。

特に商標については、更新しない場合の影響を十分に考えておく必要があります。

商標権がなくなれば、それまで商標権によって制限できていた第三者による同一・類似の商標の使用を、商標権に基づいて止めることができなくなります。

その結果、他社が同じような名前を商品やサービスに使用したり、その商品等の品質によっては、これまで築いてきたブランドイメージに影響が生じたりする可能性もあります。

さらに、商標権が消滅した後に、第三者が同一・類似の商標を出願して登録されてしまうと、将来自社でその商標を使用する際に商標権侵害などのトラブルになるリスクがあります。 これは、弊所がお客様へ更新をご案内する際にも、特に注意喚起しているポイントです。

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そのため、

「今使っていないから不要」 「せっかく取ったから全部残しておく」

と単純に判断するのではなく、現在の事業や今後の事業計画、そして権利を失った場合のリスクまで考えたうえで、維持するかどうかを判断することが重要です。

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まとめ|知的財産権は「取った後」も大切です

特許・実用新案・意匠・商標は、一度登録されれば永久に続く権利ではありません。

特許権:出願日から【原則20年】(毎年の年金納付)
実用新案権:出願日から【10年】(毎年の年金納付)
意匠権:出願日から【原則25年】(毎年の年金納付)
商標権:登録日から【10年】(10年ごとに何度でも更新可能)

そして、特許・実用新案・意匠については年金を納付しながら、商標については更新手続を行いながら、権利を維持していく必要があります。

また、ただ長く維持すればよいというものでもありません。
事業の状況に合わせて適切に維持・管理していくことが大切なのです。

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